二次創作に関することを中心に後ろ向きに呟いております
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ギャグでしかない。夢ではないが夢っぽい。
小さく唇を舐めると、血の味がした。平手打ちをされただけで唇が切れるとかマジ勘弁。あたしは果たしてこんなにヤワな女だったんでしょーか。ていうか高校生になってまで、こんな校舎裏に呼びだされて囲まれてーみたいな展開になると思わないじゃん? いや、のこのこついてきちゃったあたしも悪いんだけどー。まあそんなこんなで、とりあえず、あたしは今、跡部様親衛隊(笑)の御咎めを受けているってゆー状況なわけで。あーほんと、マジ勘弁。
「私、中学生のときから気に食わなかったのよ!」
およそこの氷帝学園に初等部から通っていると思えないお嬢様もどきが、大きく舌打ちをする。そんなこと言われましても、ねえ。私がテニス部のジャーマネやってたのは、なんか流れみたいなそーゆー感じなわけだし。大体、私が毎日でかでかと掲示板に貼ってたテニス部マネージャー募集って告知、誰も見向きもしなかったじゃん。やー逆でしょー。近づきたかったらがんがん入部してきなさいよ。あ、私が下に書いた条件がまずかった? 毎日200人以上の部員の汗・ドロ・どの他色々しみ込んだタオル洗う作業とか何リットルかわかんない量のスポーツ飲料買ってきたりとかそーゆー条件。いやだって、そーゆーのを乗り越えてこそ、君たちの大好きなテニス部レギュラー様ご一行と出会えるわけで。別にあたしは望んでなかったけど。
「ホント腹立つのよね。最近輪をかけて跡部様と親しくしちゃって」
乱暴に肩を押され、反応しきれなかったあたしはぺちゃんと地面に尻餅をついた。値段の高い制服にドロがつくなんて、とあたしは若干ヒきつつも、悪態をつき続ける彼女たちをどーでもいい目で見た。あー、ほんっと相手にしてらんない。ほんっとどーでもいい。言い返すための怒りすら湧いてこなくて、あたしは無気力に立ち上がり、お尻をパンパンと手で払った。少し湿った泥の感触があった。
あたしは小さくため息をついて、ぎらぎらとした瞳で此方を睨んでくる彼女たちに少しだけ文句を言うことにした。怒ってるんじゃないよーこれは。言われたことに対して言い返すだけだから。
「わかったよ。あたしが悪かったです。すいませんでした。跡部たちと仲良くしてすいませんでしたー。でも、マネージャーの仕事を辞める気はないから。だってこれあたしの仕事だもん。あんたたちが代わってくれるって言うんだったら幾らでも代わってもらうけど。超めんどくさいし、タオル干すのも片付けも、何百人生徒いるかわっかんないし。だからハイ、いくらでも仕事持って行っていいよ」
「そいつは俺が困るな」
自信満々であたしが言いきった瞬間に、耳元で声がした。ぞわりと背筋が震え、振り向いたところでいたのはやっぱり跡部景吾だった。
「ンなっ――あたしがせっかく良い感じにシメたのに! 何すんの」
「てめえがいつまでも来ねえから、探しにきてやったんだろうが。感謝しやがれ。何してんだこんなとこで」
「あーうー。マネージャー希望者がいっぱいいたから面接してたってゆーか」
ここでちらりと彼女たちの方を盗み見ると、全員が全員先ほどとは打って変わってにゃんにゃんした乙女モードに早変わりしていた。いやー跡部って凄いわ。これなら最初からいてくれた方が良かったわ。花も恥じらうようなかわいらしい笑顔で、彼女たちは「いえ、そんな…」とかそんなことを言う。跡部はちらりと彼女らに一瞥をくれると、ふんと鼻で笑って、――あろうことか、あたしの肩を抱き寄せて、言い放った。
「妬みから暴力を振るうようなてめえらに、こいつと同じだけの働きが出来るとも思えねえな。十年後に出直してきな。行くぜ」
「えーいみふ! ってこら離せ! 離してよ跡部!」
そのままホールド状態でずるずるとテニスコートへ引きずられていくあたしは、根が生えたように立ち尽くす彼女たちを最後にちらっと見ながら、斜め上の跡部にぶーたれた。
「ちょっとー言い方荒いでしょうが」
「あぁん? うるせえよ、てめえだって怪我しやがって、言い返すなりなんなりしやがれ」
「あたしはいつでもマネージャー募集してるもん」
「俺に無許可で」
「だって仕事忙しいんだもん」
「俺はてめえがいれば十分なんだ」
「あたしはあたし一人じゃ辛いんだけど」
「じゃあ、てめえが一番信頼できる奴なら考えてもいい」
「あ、それ、あたしが信頼されてる」
「うるせえ」
砂のついて乾燥した指で、自分の唇に触れると、血が固まっていて、ちょっとだけ気持ち悪いなと思った。それをぽつりとつぶやくと、また跡部はうるせえと言って、それから少し笑った。
「私、中学生のときから気に食わなかったのよ!」
およそこの氷帝学園に初等部から通っていると思えないお嬢様もどきが、大きく舌打ちをする。そんなこと言われましても、ねえ。私がテニス部のジャーマネやってたのは、なんか流れみたいなそーゆー感じなわけだし。大体、私が毎日でかでかと掲示板に貼ってたテニス部マネージャー募集って告知、誰も見向きもしなかったじゃん。やー逆でしょー。近づきたかったらがんがん入部してきなさいよ。あ、私が下に書いた条件がまずかった? 毎日200人以上の部員の汗・ドロ・どの他色々しみ込んだタオル洗う作業とか何リットルかわかんない量のスポーツ飲料買ってきたりとかそーゆー条件。いやだって、そーゆーのを乗り越えてこそ、君たちの大好きなテニス部レギュラー様ご一行と出会えるわけで。別にあたしは望んでなかったけど。
「ホント腹立つのよね。最近輪をかけて跡部様と親しくしちゃって」
乱暴に肩を押され、反応しきれなかったあたしはぺちゃんと地面に尻餅をついた。値段の高い制服にドロがつくなんて、とあたしは若干ヒきつつも、悪態をつき続ける彼女たちをどーでもいい目で見た。あー、ほんっと相手にしてらんない。ほんっとどーでもいい。言い返すための怒りすら湧いてこなくて、あたしは無気力に立ち上がり、お尻をパンパンと手で払った。少し湿った泥の感触があった。
あたしは小さくため息をついて、ぎらぎらとした瞳で此方を睨んでくる彼女たちに少しだけ文句を言うことにした。怒ってるんじゃないよーこれは。言われたことに対して言い返すだけだから。
「わかったよ。あたしが悪かったです。すいませんでした。跡部たちと仲良くしてすいませんでしたー。でも、マネージャーの仕事を辞める気はないから。だってこれあたしの仕事だもん。あんたたちが代わってくれるって言うんだったら幾らでも代わってもらうけど。超めんどくさいし、タオル干すのも片付けも、何百人生徒いるかわっかんないし。だからハイ、いくらでも仕事持って行っていいよ」
「そいつは俺が困るな」
自信満々であたしが言いきった瞬間に、耳元で声がした。ぞわりと背筋が震え、振り向いたところでいたのはやっぱり跡部景吾だった。
「ンなっ――あたしがせっかく良い感じにシメたのに! 何すんの」
「てめえがいつまでも来ねえから、探しにきてやったんだろうが。感謝しやがれ。何してんだこんなとこで」
「あーうー。マネージャー希望者がいっぱいいたから面接してたってゆーか」
ここでちらりと彼女たちの方を盗み見ると、全員が全員先ほどとは打って変わってにゃんにゃんした乙女モードに早変わりしていた。いやー跡部って凄いわ。これなら最初からいてくれた方が良かったわ。花も恥じらうようなかわいらしい笑顔で、彼女たちは「いえ、そんな…」とかそんなことを言う。跡部はちらりと彼女らに一瞥をくれると、ふんと鼻で笑って、――あろうことか、あたしの肩を抱き寄せて、言い放った。
「妬みから暴力を振るうようなてめえらに、こいつと同じだけの働きが出来るとも思えねえな。十年後に出直してきな。行くぜ」
「えーいみふ! ってこら離せ! 離してよ跡部!」
そのままホールド状態でずるずるとテニスコートへ引きずられていくあたしは、根が生えたように立ち尽くす彼女たちを最後にちらっと見ながら、斜め上の跡部にぶーたれた。
「ちょっとー言い方荒いでしょうが」
「あぁん? うるせえよ、てめえだって怪我しやがって、言い返すなりなんなりしやがれ」
「あたしはいつでもマネージャー募集してるもん」
「俺に無許可で」
「だって仕事忙しいんだもん」
「俺はてめえがいれば十分なんだ」
「あたしはあたし一人じゃ辛いんだけど」
「じゃあ、てめえが一番信頼できる奴なら考えてもいい」
「あ、それ、あたしが信頼されてる」
「うるせえ」
砂のついて乾燥した指で、自分の唇に触れると、血が固まっていて、ちょっとだけ気持ち悪いなと思った。それをぽつりとつぶやくと、また跡部はうるせえと言って、それから少し笑った。
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