二次創作に関することを中心に後ろ向きに呟いております
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彼の世界は彼だけで自己完結しているのだ。詰まる所私がどれだけ彼の世界に干渉しようとしたところで、それは彼の世界の外側で起こった事例にしか過ぎない。結局私は彼との境界に足をかけることすら出来ていないのだ。顔を突き合わせて悪口雑言ぶちまけても、泥だらけ・傷だらけになるまで殴りあっても、彼が引いた他人との境界線を跨ぐのは適わなかった。
(――ああ、馬鹿らし、)
私はかぶりを振って用具をまとめる。他の生徒はみな教室から早々と去っていて、私だけがそこに残っていた。ふと窓の外を見ると、委員会があると云って最も早く教室から飛び出していった彼が、上級生に振り回されて苦労人の顔をしているのが見えた。傍でへたり込む一年生の頭を撫でてやり、三年生に何事か指示を出し、それから何事か六年生に迷惑顔で提言する。それをきょとんとした顔で聞いていた六年生は、喝と笑うと再び勢いよく校庭を駆け出して、軽々と塀を飛び越えて姿が見えなくなった。残された下級生と彼は互いに苦笑いすると、後に続けと校庭を駆け出した。
姿が見えなくなる最後の一瞬、彼はちらりと私のいる教室を振り返って、そして、長い髪を揺らして塀を飛び越えた。
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なんのはなしこれ
(――ああ、馬鹿らし、)
私はかぶりを振って用具をまとめる。他の生徒はみな教室から早々と去っていて、私だけがそこに残っていた。ふと窓の外を見ると、委員会があると云って最も早く教室から飛び出していった彼が、上級生に振り回されて苦労人の顔をしているのが見えた。傍でへたり込む一年生の頭を撫でてやり、三年生に何事か指示を出し、それから何事か六年生に迷惑顔で提言する。それをきょとんとした顔で聞いていた六年生は、喝と笑うと再び勢いよく校庭を駆け出して、軽々と塀を飛び越えて姿が見えなくなった。残された下級生と彼は互いに苦笑いすると、後に続けと校庭を駆け出した。
姿が見えなくなる最後の一瞬、彼はちらりと私のいる教室を振り返って、そして、長い髪を揺らして塀を飛び越えた。
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なんのはなしこれ
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